こんにちは
自己肯定感を高めるオンライン個別指導塾Cheers!(@cheers.school)です
今日は、現中学1年生が受験する令和10年度の大阪府公立高校入試について、つい先日アナウンスされた新システムの解説をお届けします。学校特色枠は何をする制度なのか。第2志望はどう判定されるのか。五教科の配点や調査書はどう扱われるのか。そして英語外部検定の読替え率と点数保障はどう変わるのか。大阪府教育委員会の公式リーフレットをもとに、保護者の方が今日から動ける形に整理しました。制度の根拠は府の一次資料なので、情報の確度は高いです。
【まず全体像 三つの大きな変更点】
一つ目は学校特色枠の導入です。

各校が掲げる求める生徒像に合う受験生を、面接や実技、小論文、エントリーシートなどの独自資料で第1手順として優先的に合格させます。募集割合は学科定員の上限50パーセントまでで、希望者のみが応募します。学力検査は1日目、特色枠の面接やプレゼンテーション等は2日目という形で実施されます。第1手順で不合格でも、第2手順の総合点であらためて判定されるので、機会は二重化されます。
この変更はまさに大学入試で言うところの「総合型選抜入試(旧AO入試)」です。
単に学力一辺倒だけで生徒を評価するのではなく、それ以外の能力や意欲を多面的に評価する狙いがあるんでしょうね。ただし学力は必ず求められることには注意が必要です。
総合型選抜入試では勉強が苦手でも合格できるイメージがありますが、そんなことは全くありません。学力も変わらず評価の半分以上を占めている中心的な評価軸ですので、ここは間違いないようにしたいものですね!
二つ目は第2志望の出願機会が設けられることです。一般選抜では第1志望に加えて第2志望にも出願できます。第2志望の判定は共通問題を用いると明記されており、新たな検査を受け直す必要はありません。
三つ目は入試期間の短縮です。従来二本立てだった特別選抜と一般選抜を一本化し、準備期間の確保と学校間の連携の充実を図る狙いが示されています。
【学力検査と調査書 配点と総合点の仕組み】
学力検査は国語、数学、英語、理科、社会の五教科で、各90点の合計450点です。国語、数学、英語はA問題、B問題、C問題の三種類から学校が選択します。
ここまでは従来と同じですね。
調査書は評定のみを用い、活動や行動の記録は廃止されます。中1と中2は9教科評定に2倍、中3は6倍を掛け、合計450点として換算します。
総合点は、学力検査の合計点と調査書点に、学校が選ぶ倍率タイプを掛け合わせて算出します。タイプは五種類で、学力検査を重視するものから調査書を重視するものまで幅があります。総合点は900点満点です。
ここから読み解ける現実的な考え方はシンプルです。内申が強い子は調査書比重の高いタイプと相性の良い学校を早めに研究することが有効です。逆に実力試験で伸ばせる子は学力比重の高いタイプの学校で勝負するとよいです。高偏差値の高校の入試は学力比重が大きいです。とはいえ、どちらの場合も五教科での底上げは王道です。配点が大きく、誤差が勝敗を分けます。
【学校特色枠についてもう少し具体的に】
学校特色枠は、学校がアドミッションポリシーを踏まえた具体的な生徒像を提示し、求める像に合致する生徒から順に合格を出す仕組みです。評価資料の例として、面接、実技、小論文、エントリーシートのほか、プレゼンテーションなども明記されています。募集割合は原則50パーセント以下の範囲で学校が設定します。
学校特色枠の具体例(大阪府公表資料から抜粋)
北野高等学校(文理学科)
・募集割合 10%
・選抜資料 学力検査の成績、エントリーシート
・選抜方法の要点 英語・数学・国語の三教科の学力検査と調査書を用い、総合的に上位から合格者を決定します。エントリーシートも評価対象に含める方式です。〔詳細は大阪府公表PDFの一覧表該当欄〕。大阪府公式サイト
渋谷高等学校(普通科)
・募集割合 20%
・選抜資料 実技検査、学力検査で点数の高い三教科、調査書
・選抜方法の要点 運動系種目等の実技適性を重視しつつ、学力検査は得点上位の三教科で評価します。実技と学力、調査書を総合して合否を判定します。大阪府公式サイト
久米田高等学校(普通科)
・募集割合 20%(該当枠の一例)
・選抜資料 調査書、作文(ほかに学力検査等を用いる枠も設定)
・選抜方法の要点 学校が示す学びの方針に基づいて、作文や調査書での学習姿勢・活動の記録を評価します。学力検査を併用する枠では学力と資料を合わせて順位付けします。大阪府公式サイト
注記
・上記は大阪府教育委員会「各高校の学校特色枠(令和10年度入試向け)公表資料」の該当行からの要約です。学校ごとに複数の枠(区分や募集割合、資料の組み合わせ)が設定されています。受検時は必ず最新の公式一覧で該当学科・枠の欄を確認してください。大阪府公式サイト
【第2志望と共通問題の扱い】
第2志望の判定では共通問題を使用します。つまり第1志望で受けた試験の結果で第2志望も評価されるため、受験当日の負担は増えません。
志望の並べ方で迷ったら、まずはこれだけ覚えてください。第2志望の合否は、第1志望で受けた共通問題の点数と内申で決まります。つまり第2志望のために別の問題対策は不要です。たとえば第1志望がC問題の難しめの学校で、第2志望がB問題の学校でも、第2志望は共通問題の得点で判定されます。
もう一つは、学校ごとに違う倍率タイプです。これは簡単に言うと「学力試験を重めに見るか、内申を重めに見るか」の設定です。定期テストや提出物が安定している子は内申を生かせる学校と相性が良く、模試で本番型の点が伸びる子は学力重視タイプの学校が狙い目です。総合点は学力450点と内申450点を合わせて900点を作る仕組みなので、子どもの強みがどちらにあるかを親子で確認し、相性の良い学校の組み合わせを作ると戦いやすくなります。
【英語外部検定の読替え率と点数保障 2級持ちのプレミアム感はほぼなし】
英語の学力検査には、外部検定に応じた点数保障があります。読替え率は次の通り整理されています。TOEFL iBTは60点以上、IELTSは6.0以上、英検は準1級と1級で読替え率90パーセント。TOEFL 50から59点とIELTS 5.5は80パーセント。TOEFL 40から49点とIELTS 5.0は70パーセント。英検2級は70パーセントという区分です。
英検2級で70%ということは、90点×0.7=63点にしかならないわけで、従来の80%から大幅な下落改定となりました。


なぜ見直しが必要だったのか。現場で長く話題になってきたのは、次の三つでした。これは制度の公式見解というより、保護者や学校・塾の現場で共有されてきた課題感の整理です。
・段差の大きさよりも「境目の逆転」が起きやすいこと
検定の合格ラインを一度越えると、当日の筆記とリスニングの出来よりも換算の恩恵が先に立ってしまう場面がありました。子ども目線では「一問のミスより、検定の合否が重すぎる」と感じやすいところです。
・当日の五教科とのバランスが取りづらいこと
英語だけが資格で底上げできる一方、他教科は本番一本勝負です。保護者の方からは「五教科で努力して積み上げた点より、外検の一枚が効きすぎるのでは」という違和感が一定数ありました。読替え率を段階的に整理すると、英語だけ突出しにくくなります。
・機会と費用の不均衡感
受検回数や受検地、費用の負担はご家庭によって差が出ます。検定を“必須”のように感じる空気は、家庭環境によって不利を生みかねないという懸念がありました。段階設定をわかりやすくすることで、過度な外検偏重を抑えたいという意図が読み取れます。
今回の見直しは次の二点に利点があります。
一つは、英語だけが過剰に伸びる状態を避け、五教科での学力と内申のバランスに寄せたこと。
もう一つは、準1級・1級と2級の間に実力差を反映した段差を明確にしたことです。府の資料でも、準1級・1級は90パーセント、2級は70パーセントと段階をはっきりさせています。
ご家庭へのアドバイスはシンプルです。
・英語が得意で本番70点を超えられる見込みがあるなら、検定はあくまで保険と割り切り、五教科の底上げを優先します。
・英語が苦手で60点台前半にとどまりやすい場合は、2級の取得に意味があります。ただし、可能性があるなら準1級を長期目標に据える価値は大きいです。
・どの場合も、総合点は900点設計です。英語の換算に頼るより、他教科で確実に積み上げた方が合格確率は安定します。
また、英検2級を取るのであれば本番で63点以上を取ればいいわけで、今までより英検2級を取得するメリットは薄れると言ってもいいでしょう。準1級まで取れるなら90%の読み替え率は保険としてかなり安心ですが、そのためだけに中学生活の貴重な時間を英検準1級の取得に全振りするのは確実に他教科とのトレードオフになります。
検定の得点だけで合否が決まるわけではありません。五教科での基礎点と調査書とのバランスで総合点が作られるので、検定は保険でありブースターという位置づけが現実的です。
【自己申告書の廃止とエントリーシート 家庭の準備はどう変わるか】
自己申告書は廃止され、調査書の活動や行動の記録も廃止されます。必要に応じてエントリーシートを提出する方式が導入されます。これまでのように紙の記録で多くを伝えるのではなく、面接や小論文、当日の振る舞いで伝える比重が高まります。家庭としては、日頃から授業やニュースを短く要約する練習、目標と振り返りを自分の言葉で説明する練習を習慣化しておくと、書類と面接双方に効きます。
【いつから誰に関係するか】
制度の適用は令和10年度、つまり2028年度入試からです。今(2025学年度)の中学1年生が最初の対象になります。
記事を最後まで読んでいただきありがとうございました
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