こんにちは!自己肯定感を高めるオンライン学習塾、Cheers!(@cheers.school)です。
大阪府は高校ラグビーの激戦区として全国的に知られています。
毎冬に東大阪市花園ラグビー場で開催される全国大会(通称「花園」)には大阪代表が3校出場できるほど層が厚く、全国優勝候補の常連です。
実際、2021年度の第101回大会では大阪代表の東海大大阪仰星高校が優勝(通算6度目)を飾りました。
直近の大会でも大阪勢は上位に食い込んでおり、2024年度の第104回大会では東海大大阪仰星が決勝進出(神奈川代表の桐蔭学園高校に惜敗)し準優勝。
全国でも常にベスト8以上に複数校が勝ち上がるなど、大阪の高校ラグビーのレベルは依然として全国トップクラスです。
また、関西は高校アメフト発祥の地であり、大阪府も有力校を多く擁します。
2000年代には大阪産業大学附属高校が2007・2008年のクリスマスボウル(高校日本一決定戦)を連覇する偉業を成し遂げました。
しかしその後は関東勢の強豪校に押される時期が続き、大阪勢の全国優勝は2011年を最後に遠ざかっていました。
そして迎えた2024年、第55回大会決勝では大阪第3代表の追手門学院高校が東京第1代表の佼成学園高校を24-10で下し、創部57年目で悲願の高校日本一を達成しました。
今回は、特に注目を集めるラグビーとアメリカンフットボールの強豪校に焦点を当ててご紹介いたします。
本ブログでは、2022年から2024年までの直近3年間の大会成績を詳しく分析し、各競技における強豪校の魅力に迫ります。
なお、本記事には筆者の主観的な意見が含まれていることを、あらかじめご了承ください。
大阪府の高校ラグビー強豪校紹介

東海大学付属大阪仰星高校ラグビー部 – 「花園を制した絶対王者」

全国有数の名門で、花園(全国大会)優勝6回を誇ります。
直近3年でも常に大阪代表の座を勝ち取り、2021年度全国大会で優勝、2024年度も準優勝と安定した強さを見せています。
大阪予選においても5大会連続で代表権を獲得(23年連続出場の記録更新中)するなど、常にトップを走り続けています。
指揮を執る湯浅大智監督自身も同校OBで全国優勝を何度も経験しており、選手としても指導者としても花園優勝に関わった“勝利のDNA”をチームに伝えています。
中高一貫校で中等部からラグビーに打ち込める環境があり、全国から有望選手が集まるスカウト体制も充実しています。
学校側もスポーツ推薦で入学した選手を学業面含め手厚くサポートしており、同校ラグビー部出身者は早稲田大学など難関大学へ進学する例も多いです。
専用グラウンドやウェイト場など設備も充実していて、恵まれた環境で高度なトレーニングを積める点も強みです。
同校はラグビー部を含む体育会系部活動にスポーツ推薦入学制度を導入しており、実質的に強化指定部と言えます。
一般生徒の入部自体は可能ですが、部員の大半は中学時代から経験を積んだ選手です。
初心者が入部した場合も基本的にBチームで基礎から練習を積む形になります。
強豪とはいえ面倒見は良く、本人の努力次第で試合出場のチャンスも与えられる環境です。
「文武両道の全国王者」という表現が似合う部らしくハードな練習で知られますが、その分礼儀や規律が身につき、精神的な成長も期待できます。
伝統校だけにOB・OGのネットワークも強く、卒業後の進路相談や大学・社会人チームへの推薦などバックアップ体制も万全です。
保護者にとっても花園常連校の試合を応援できる喜びは格別で、学校全体でチームを支える一体感があります。
「強くて当たり前」のプレッシャーもありますが、部員たちは誇りを持って日々励んでおり、切磋琢磨する中で我が子が大きく成長していく姿を感じられるでしょう。
常翔学園高校ラグビー部 – 「伝説の一戦を生んだ攻撃型集団」

旧校名は大阪工大高で、1980年代の名勝負「スクール☆ウォーズ」(伏見工業との激闘)の舞台にもなった伝統強豪です。
近年も大阪府予選で常に上位に入り、2022年度は大阪第1代表決定戦で関大北陽を破って優勝し、花園に出場しています。
2023年度も大阪第3代表として花園に出場(決勝で東海大仰星に惜敗)。
近畿大会でも安定して上位に進出しており、2023年近畿大会準優勝と全国選抜大会出場を果たしました。
花園本大会でも常に優勝候補の一角に挙げられる存在で、近年はベスト8の壁を破るべく奮闘しています。
チームとしての強みは、攻撃的な伝統スタイルと人材育成力です。
かつての“大阪工大高”時代から受け継ぐ展開力重視のラグビーで、大阪予選では圧倒的得点差の試合もしばしば(準々決勝で138-0の大勝例あり)。
大型フォワードと俊足バックスを全国から集めるスカウトも盛んで、特に大阪府内の有望選手は同校か仰星かと言われるほどです。
指導陣にはOBも多く、長年花園で戦ってきた経験知を選手に伝授しています。
練習環境も充実しており、人工芝グラウンドやトレーニング施設を完備。
部員数も多くA~Cチームを編成しているため、下級生や初心者も試合経験を積みながら力を伸ばせます。
ラグビー部は学校公認の強化クラブです。
スポーツクラスへの特別入試枠があり、他府県からも有力選手が入学しています。
一般生徒の入部も可能で、実際に初心者から始めてBチームで頑張っている生徒もいます。
ただしトップチームはハイレベルな選手で占められるため、全国大会を目指すメンバーはほぼ経験者です。
初心者でも情熱があれば歓迎され、基礎体力作りや簡単な練習からスタートして徐々に戦力になる道も用意されています。
「常翔魂」と呼ばれる粘り強さと明るさが魅力の部活です。
厳しい練習の中にもアットホームさがあり、OB・保護者が一丸となってチームを支える風土があります。
試合では伝統の濃紺ジャージに身を包んだ選手たちが躍動し、見る者を熱くさせます。
保護者にとっては、全国大会常連校である安心感と誇りがありますし、遠征や合宿も多いため仲間の保護者同士の連帯感も生まれやすいでしょう。
勉強面でも指定校推薦枠など進学サポートが充実している学校ですので、ラグビーと学業の両立に理解がある点も安心材料です。
大阪桐蔭高校ラグビー部 – 「全競技制覇を目指す新興勢力」

野球や吹奏楽で全国的に有名な大阪桐蔭は、ラグビー部も急速に力をつけています。
2010年代後半から台頭し始め、2022年度大阪府予選では第2代表の座を勝ち取って花園出場(府予選決勝で大阪朝鮮高級学校に勝利)。
2023年度は近畿大会優勝校として春の全国選抜大会に出場し、大阪府予選でも第2代表に再び輝きました(決勝で大阪朝鮮高を24-3で下格)。
花園本大会でも2022年度にベスト8入りを果たすなど着実に結果を残しています。
近畿大会優勝や大阪予選連続突破は「新興強豪」として異例の快進撃で、全国の注目を集めています。
大阪桐蔭の強みは学校全体の「常勝」ノウハウをラグビーにも投入している点です。
監督の綾部正史氏は大阪体育大学出身で、就任後わずか数年でチームを全国レベルに育て上げました。
桐蔭学園(神奈川)のような最先端のスポーツ科学や分析を取り入れ、フィジカルトレーニングや戦術研究を徹底しています。
日本代表クラスのコーチ陣やOBによる指導クリニックなど外部との交流も盛んです。
全国から逸材を集めるスカウト力も強く、中学ラグビーのスター選手が多数進学してきます。
恵まれた練習環境(広大なグラウンド、屋内練習場、合宿所完備)と、寮生活で規則正しい生活を送りながら鍛えられる体制も強さの原動力です。
ラグビー部は公式に「強化指定クラブ」とされています。
スポーツ推薦入試で入学した生徒はスポーツコースで学びつつ部活動に打ち込める仕組みで、部員の多くはその対象です。
一般生徒の入部もできますが、全国制覇を目指すトップチームはハイレベルな経験者中心となります。
ただ、「日本一の環境でラグビーを学びたい」という意欲ある初心者であれば門戸は開かれており、最初は基礎練習からスタートして徐々に適性ポジションで起用されるケースもあります。
桐蔭のラグビー部は、学校のブランド力も相まって注目度が高い部活です。
練習量は多く厳しいですが、寮での集団生活や徹底した指導のおかげで礼儀正しく自立した人間性が育まれます。
全国大会では野球部さながらに大応援団が駆けつけ、学校一丸で盛り上がるのも桐蔭ならではです。
保護者にとっては、強豪校ゆえ勝利の喜びと敗戦の悔しさの振れ幅が大きいですが、それだけ子どもが得られる経験値も大きいでしょう。
卒業後は大学ラグビー強豪(明治や帝京など)への進学実績も出始めており、トップレベルの指導を受けさせたいご家庭には魅力的な環境です。
関西大学北陽高校ラグビー部 – 「中高大連携で花園に挑む新星」

創部は2012年と比較的新しいものの、驚異的なスピードで実力をつけています。
関西大学北陽中学校でラグビーを始めた1期生たちが高校に進学した2015年前後から一気に台頭し、2021年度には花園初出場を達成。
2023年度大阪府予選では強豪ひしめく中、第1地区代表決定戦で大阪産大附属高校に快勝して初の大阪府第1代表となりました。(創部10年目での大阪制覇は快挙)。
続く花園本大会でも健闘しベスト16に進出。
さらにその勢いで2024年近畿大会もベスト4入りを果たし、春の選抜大会出場権を獲得しています。
創部からの卒業生がまだ少ない中で、全国常連校に肩を並べつつある注目校です。
関西大学北陽の強さの秘密は、“大学連携”と“科学的強化”という新時代のアプローチです。
監督の梶村真也氏は東海大仰星高校で全国優勝を経験し、東海大学でも主将を務めた経歴の持ち主で、2012年の着任以来「人脈」を活かした強化を推進してきました。
例えば、関大北陽高校にラグビー部を創部する際、梶村監督は大阪府内の中学生やスクールチームの選手に声をかけて集め、自校の中学(北陽中)からも有望選手を継続的に供給しています。
また、関西大学のアメフトグランドを借りて合同練習を行うなど大学との交流も深く、最新の戦術研究やトレーニング理論を高校生にフィードバックしています。
指導陣も年々拡充され、東海大OBのコーチなど専門性の高いスタッフがチームを支えています。
こうした中高大一貫の太いパイプと、徹底したディフェンス強化(守備力向上に注力)によって、短期間で大阪の強豪を倒す実力を身につけました。
ラグビー部は学校公認の強化クラブに位置付けられており、関大北陽中学校からの内部進学生や全国からのスポーツ推薦で部員を募集しています。
一般生徒でも入部は可能ですが、初心者がいきなりレギュラーになるのは難しく、まずは練習生として基礎を学ぶ形です。
同校は関西大学系列ということもあり文武両道を掲げているため、ラグビー部員も通常のクラスに在籍し学業と両立しています(成績次第ではレギュラーであっても補習を課されることもあります)。
部としては基本的に経験者中心ですが、「情熱があれば未経験でも歓迎」という姿勢で部員を受け入れており、入部後にめきめき力をつけた選手もいます。
新興チームながら校風もあって面倒見が良く、部員たちは伸び伸びと実力を発揮しています。
保護者にとって嬉しいのは、関西大学への内部進学制度が整っている点です。
スポーツで結果を出せば大学進学も有利ですし、仮に全国制覇に届かなくとも系列大学や他大学への進学サポートが受けられる安心感があります。
チームはまだ歴史が浅い分、OB会などはこれからですが、その分「自分たちで伝統を作る」やりがいも大きいでしょう。
学校全体が盛り上げてくれる雰囲気もあり、初出場時には校長先生(東海大仰星の元コーチ)が中心となって全校応援を実施するなど、手厚いバックアップがあります。
新しい環境で急成長するチームの一員として、子どもが主体的に部活を作り上げていく経験を積める点は、保護者にとっても誇らしく映るはずです。
大阪府の高校アメリカンフットボール強豪校紹介

箕面自由学園高校アメリカンフットボール部 – 「基礎を徹底する大阪の雄」

「GOLDEN BEARS」の愛称で知られる伝統校で、大阪府秋季大会では常に優勝候補です。
1991年に全国高校選手権(クリスマスボウル)で優勝した実績があり、近年では2022年の近畿地区決勝(クリスマスボウル出場決定戦)に進み、大阪産業大学附属高校と互角の戦いを繰り広げました(24-17で惜敗)。
2023年も大阪府大会準優勝(第2代表)で全国大会出場を果たし、2024年も大阪府2位として3年連続で全国大会に駒を進めました。
残念ながら全国制覇の経験こそまだありませんが、常に全国上位に顔を出す強豪です。
大阪府内では近年、産大附属・追手門学院と並ぶ“三強”の一角を占めています。
箕面自由の強さの秘密は、地道な基礎力強化と献身的な指導にあります。
箕面自由学園高校アメフト部を率いる監督は小川氏です。
小川監督は元NFLヨーロッパ及び日本代表で活躍した経歴を持ち、筑波大学大学院でコーチング学を専攻した指導者でもあります
長年チームを牽引してきた富田秀司前監督(2023年に古希〈70歳〉を迎えた)からバトンを受け継ぎ、現在は小川監督が指揮を執っています。
また、指導スタッフには教員だけでなくOB(卒業生)も加わっており、過去の部員がコーチとして後輩を指導する体制が整っています。
豊富な経験を持つ指導者層とOBネットワークに支えられた指導体制がチームの土台となっています。
練習方針は基礎基本の徹底と最先端メソッドの融合です。
小川監督を中心に、最新のトレーニングメソッド(練習法)を積極的に取り入れて指導が行われています。
例えば、フィジカル(身体能力)の向上だけでなく、メンタル面やコミュニケーション能力の育成にも力を入れるなど、他校の一般的な練習とは一線を画す総合的な指導を実践しています
こうしたトータル的なアプローチにより、選手一人ひとりの身体と精神両面を鍛え、チームワークを高めています。
また、「Start Fast, Finish Strong(スタートダッシュ良く、最後まで全力で)」といったスローガンのもと、常に攻撃的かつ粘り強いフットボールを展開できるよう日々の練習から意識付けされています。
さらに指導陣には前述の通りOBも含まれており、世代を超えた継続的な指導によってチーム文化と高い技術力が受け継がれている点も強さの秘密と言えます。
箕面自由学園ではアメリカンフットボール部を含む5つのクラブが「強化クラブ」に指定されており、学校全体で競技力向上を支援しています。
強化クラブの部員たちは「クラブ選抜コース」というスポーツ推薦クラスに所属し、日本一をめざす高い志を持つ仲間同士で日々切磋琢磨しています。
クラスメイト全員が同じ目標に向かう環境の中、「苦しい時こそ仲間と励まし合い支え合う」文化が根付いており、高いモチベーションを維持したまま練習に打ち込める点も恵まれた環境です。
また、チームの伝統としてチアリーダー部や吹奏楽部との連携も盛んで、試合での応援体制が非常に充実していることも士気向上につながっています(チアリーダー部は全国大会優勝常連の強豪)。
このように学校ぐるみの支援体制と仲間との高め合いが、常に高い競技力を発揮できる秘密と言えるでしょう。
箕面自由学園高校アメフト部では、中学時代の実績ある選手を対象にクラブ推薦入試制度を実施しており、それに合格した生徒がクラブ選抜コースに所属します。
この制度により全国各地から有望な人材を受け入れることが可能となっており、実際に関西圏以外の出身者もチームに在籍しています。
また、遠方から入学する生徒のために学生寮などの受け入れ体制も整備されているため(学校公式発表)、地方の有望選手が安心して進学・入部できる環境です。
アメリカンフットボール部は学校の正規クラブ活動として位置付けられているため、一般入試で入学した生徒や初心者であっても入部は可能です。
実際、公式には「クラブ推薦で入学した生徒を集めたコース」が存在すると明言されていますが、それは強化育成を目的としたクラス編成上の措置であり、クラブそのものは学校在籍者であれば誰でも挑戦できます。
もちろん、全国制覇を目標とする強豪チームゆえ練習は厳しく専門的になるため、途中入部の生徒には勉学との両立や相当の努力が求められます。
しかし指導者やチームメイトは初心者にも基礎から丁寧に指導を行っており、「やる気さえあれば大歓迎」という風土です。
一般生徒であっても意欲があればゴールデンベアーズの一員としてプレーし、切磋琢磨できる環境が用意されています。
なお、クラブ選抜コース以外の生徒についても、強化クラブでの活動実績に応じて指定校推薦や総合型選抜(旧AO入試)で大学進学をサポートする制度があります。
高校3年間を通じて競技力向上と進学の両面で手厚い支援が受けられる点も、同部の魅力と言えるでしょう。
大阪産業大学附属高校アメリカンフットボール部 – 「栄光のFIGHTING ANGELS」

全国屈指の名門チームで、その強さは長年際立っています。
愛称は“ファイティングエンゼルス”。
2007年・2008年には東京の早稲田高等学院を連破し全国大会(クリスマスボウル)2連覇を達成。
その後も全国決勝に進出すること5回、直近では2022年大会で佼成学園高校との決勝戦まで勝ち上がりました(惜しくも準優勝)。
大阪府秋季大会では2023年・2024年と2年連続優勝を果たし、常に大阪第1代表として全国に乗り込んでいます。
2024年度全国大会でもベスト8入りし、強豪校としての貫禄を示しました。
全国優勝こそ近年はありませんが、“大阪産大附属”の名前は高校アメフト界では伝統と実績の代名詞です。
ファイティングエンゼルスの強さの秘密は伝統に裏打ちされた組織力と人材育成システムです。
創部50年以上の歴史の中で培われた練習メニューや戦術ノウハウは他校の追随を許しません。
歴代OBには関西学院大学ファイターズなど大学・社会人で活躍する選手が多数おり、そうしたOBがコーチやスタッフとして指導に関わることもあります。
例えばラインの強さや当たりの激しさは全国トップクラスで、「産大附属のOL/DLに勝つには相当の鍛錬が必要」と他校から一目置かれる存在です。
フィジカル重視だけでなく戦術面でも高度で、毎試合ごとに相手に合わせたプレーコールが用意されるなど戦略の引き出しも豊富です。
また、部専用の応援サイトが運営されるほど保護者・OBのサポート体制が厚いことも特筆されます。
在校生の父母やOB会が一体となって遠征費用の支援や差し入れ、進路相談に至るまで面倒を見る伝統があり、選手たちは万全のバックアップのもと練習に集中できます。
もちろん強化指定部として毎年、中学年代の関西選抜やU15日本代表クラスの選手がスポーツ推薦で入学してきます。
ただ、一般入試で入った生徒も入部自体は歓迎されています。
実際、「高校からアメフトを始めたい」という初心者がマネージャーを経て選手になるケースもあるなど門戸は開かれています。
もっともチーム内競争は激しく、レギュラークラスはジュニア時代からの経験者が大半です。
練習についていくだけでも相当の覚悟が必要ですが、本気で取り組めば初心者にも指導が付きマンツーマンで鍛えてもらえます。
レベル別にユニット練習を行うなど配慮もありますので、強豪校とはいえ飛び込んでいける度量があれば挑戦可能な環境です。
そういったことからまさにアメリカンフットボールの「伝統校」であり、勝利への執念とプライドが浸透した部活です。
毎年クリスマスボウル出場が至上目標となり、それを目指す過程で部員たちは人間的にも大きく成長します。
礼儀や挨拶にも厳しく、集団行動を通じた自主自律の精神が養われます。
保護者にとっては、OBや父母会のネットワークが強いので、困ったときに相談しやすい安心感があります。
試合の応援も組織的で、一体感を持って高校3年間を過ごせます。
進学面ではスポーツ推薦で有名大学や系列の大阪産業大学への進学実績も多く、将来を見据えたサポートも得られます。「日本一」を本気で狙える環境に身を置くことで得られる充実感は何ものにも代え難く、親子で夢に向かって挑戦できる熱い3年間になるでしょう。
追手門学院高校アメリカンフットボール部 – 「躍進する新王者」

2024年に一躍その名を全国に轟かせた新チャンピオンチームです。
チーム愛称は“Lumberjacks(ランバージャックス)”。
長年大阪では中堅校という位置付けでしたが、2023年秋季大会で大阪府第3代表に食い込み初の全国大会出場を決めると、2024年の全国大会では勢いそのままに勝ち上がり、大阪第3代表ながら決勝で東京第1代表の強豪・佼成学園高校を24-10で破る快挙を成し遂げました。(創部57年目での初優勝)。
前年2022年も大阪府3位決定戦に勝利し全国大会に出場(ベスト8)、2023年大会では強豪・関西学院高等部を撃破しベスト8進出するなど着実に力をつけてきていました。
そして迎えた2024年大会で高校日本一に輝いたことで、一気に“大阪の新エース”として脚光を浴びています。
急成長の要因は指導体制と選手育成の革新にあります。
2023年までは粘り強い守備力に定評がありましたが、あと一歩で全国上位に届かない状況が続いていました。
そこで今シーズン(2024年)、社会人Xリーグのパナソニックインパルス前監督・荒木延祥氏を特別コーチに招へいし、戦術の精緻化とラインの強化に着手し、一気にチーム力が向上しました。
加えて、攻撃の核となったRB(ランニングバック)奥村倖大選手やWR藤田笑日朗選手といったスター選手の存在も大きいです。
奥村選手は驚異的なスピードを誇り、今大会で最優秀バック賞(三隅杯)に輝く活躍。
藤田選手はU17フラッグフットボール日本代表という経歴を持ち、機敏な動きでチームを牽引しました。
こうした個の才能を引き出した新コーチ陣の手腕と、昨年までの悔しさをバネにチーム全員で底上げした向上心が、全国制覇という結果に結実したのです。
追手門学院高校は従来、進学校の色彩が強くスポーツ特待の制度は大々的には行っていませんでした。
ただアメフト部に関して言えば、全国優勝を機に学校からの強化指定を受け、大学・社会人との連携強化や設備投資など今後支援が拡充される見込みです。
現状でも有力選手の一部はスポーツ推薦的な形で入学していますが、多くは一般入試組で構成されており、初心者から始めた部員もいます。
入部制限はなく誰でも挑戦できますが、近年は全国区の強豪になったことで他府県の経験者からの入部希望も増えており、競争は激化しています。
初心者でも意欲があれば一から指導してもらえますが、レギュラー陣は高い競技経験を持つ選手が中心です。
元々は文武両道の校風で知られる追手門学院高校だけに、部員たちも礼儀正しく真面目な生徒が多い印象です。
今回の日本一で学校全体が盛り上がり、保護者やOBによる後援会組織(「一高カイザー会」)も発足するなどサポート体制が強化されています。
学業面のフォローも手厚く、指定強化クラブではありますが定期テストで一定成績に満たない場合は補習を課すなど勉強をおろそかにしない指導がされています。
保護者にとって嬉しいのは、同校が中高一貫かつ大学(追手門学院大学)まで系列であるため、長期的な視野で子どもの成長を見守れる点でしょう。
高校で全国優勝を経験した選手たちは大学や社会人からの注目度も高く、将来の選択肢も広がります。
何より、創部から半世紀以上かけて掴んだ日本一という感動を親子で共有できるのはこの上ない財産です。
勝っても奢らず、地道に努力を重ねてきた姿を知っているからこそ、今後も周囲から温かく応援されるチームと言えます。
関西大学第一高校アメリカンフットボール部 – 「伝統復活へ大学と二人三脚」

「KAISERS(カイザース)」の名称で親しまれ、関西大学の付属校として古くから強豪として名を馳せてきました。
実は全国大会優勝3回・準優勝2回を誇る伝統校で、近年は大阪府内でベスト4の常連。
2022年秋季大会では大阪府3位となり全国大会出場権を獲得。
2023年も大阪4位相当ながら近畿地区の追加枠で全国大会に駒を進めました。
2024年秋季大会でも大阪府4位に入り3年連続で全国大会出場を果たしています。
全国大会での上位進出はもう一歩ですが、安定して勝ち上がる地力は十分で、クリスマスボウル制覇を目標に据えている伝統チームです。
カイザースの強さの秘密は大学直結の強みを活かした高度な指導環境です。
現在の指導陣には関西大学を日本一(甲子園ボウル優勝)に導いた実績を持つ名将がおり、高校生を指導しています。
そのため、練習内容や戦術も大学仕込みでレベルが高く、関西大学アメフト部との合同練習や交流試合の機会も豊富です。
火~日曜はフィールド練習やウエイトトレーニングに励み(月曜オフ)と練習量も多めですが、室内練習場や大学施設を利用できるため効率良く鍛えられています。
また「どんな子でも活躍できるスポーツ」という理念を掲げており、体格や運動経験に関わらず全員に出場機会を与える方針です。
部員数が多くポジションも多彩なアメフトの特性を活かし、一人ひとりの適性を見極めて育成する体制が整っています。
ベンチプレスなど筋力測定の数値をデータ管理し、科学的にフィジカル強化を図っている点も特徴です。
アメリカンフットボール部は学校公認の強化クラブで、スポーツ推薦入試による全国からの入学者もいます。
ただ同校は中高大一貫教育を掲げる進学校でもあり、一般生徒の入部も大歓迎です。
実際、公式サイトでも「興味がある場合はぜひ顧問まで」と呼びかけており、初心者を含め広く門戸を開いています。
入部後は基礎ルールや基礎体力づくりから丁寧に指導してもらえるため、未経験でも3年間で主力に成長した例があります。
強化指定ゆえ練習はハードですが、学業成績不振者へのフォロー体制(補習や声かけ)は学校として徹底しており、文武両道で部を続けやすい環境です。
部活の特徴としては、「人間形成」を目標に掲げている通り、礼儀やコミュニケーション能力の育成に力を入れている部活です。
部員たちは挨拶や時間厳守など基本的な生活態度から指導され、保護者から見ても好感が持てる成長ぶりが感じられるでしょう。
私が通っていた1990年代のカイザースはマナーが悪く、阪急電車の中で「ハドルー!」と叫ぶなど、校内でもかなり嫌われる調子乗りの存在でしたが、変わってくれているなら嬉しいですね。
付属校という安心感も大きく、関西大学への内部進学制度がありますので、部活動を頑張りながら大学まで一貫した教育を受けさせたい家庭には魅力的です。
OBには関西大学カイザースで主将を務めた選手など大学リーグで活躍する人材も多く、進学後も縦のつながりが強い点もメリットです
試合では「KAISERS」らしい紺と赤のユニフォームに身を包み、知将率いるチームが頭脳的なプレーを見せてくれるため、安全かつクレバーな戦いぶりに親御さんも安心して声援を送れるでしょう。
練習見学も自由で保護者との距離も近く、オープンな部風なので、高校からアメフトを始めたいというお子さんにもおすすめできる部活です。
まとめ
以上、ラグビー部とアメリカンフットボール部で注目の私立強豪校を紹介しました。
大阪府には他にも多くの有力校が存在し、それぞれに魅力的な部活動を展開しています。
部活動選びにおいて大切なのは、学校の方針や部の雰囲気が自分(お子さん)に合っているかという点です。
強豪校であれば厳しさもありますが、その分得られる成長や達成感も大きいでしょう。
中学生・保護者の皆さんには、ぜひ今回紹介した内容や各校の公式情報を参考に、高校進学と部活動について前向きに検討していただければ幸いです。
将来を見据えつつ高校でしか得られない貴重な経験を積めるよう、最適な進路選択を応援しています。
他のスポーツも紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひご一読くださいね!
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参考資料:
- 【6】毎日新聞「第101回全国高校ラグビー大会」優勝校データja.wikipedia.org
- 【12】毎日新聞「第103回全国高校ラグビー大会 決勝」試合結果andrugby.com
- 【20】Goto2019「第74回近畿高校ラグビー大会」決勝トーナメント結果goto2019.com
- 【7】RUGBY DB「高校ラグビー大阪府予選2022」決勝戦結果rugbydb.tokyo
- 【24】RUGBY DB「高校ラグビー大阪府予選2023」第3代表決勝結果rugbydb.tokyo
- 【36】JSPORTSコラム「関西大北陽が大阪を勝ち抜けた理由」監督コメントnews.jsports.co.jpnews.jsports.co.jp
- 【16】関西高校アメリカンフットボール連盟「大阪府秋季大会2022」順位kansaikoukou-football.com
- 【14】関西高校アメリカンフットボール連盟「全国大会2023」大阪代表校kansaikoukou-football.com
- 【40】大阪産大附属高アメフト部応援サイト「2024年大阪府大会結果」fightin-angels.jp
- 【2】PR TIMES「追手門学院高アメフト部 クリスマスボウル出場へ」戦績解説prtimes.jpprtimes.jp
- 【45】ベースボールマガジン社WEB「クリスマスボウル2024 追手門学院vs佼成学園」試合記事bbm-japan.combbm-japan.com
- 【29】毎日新聞(Weblio経由)「大阪唯一の女性監督・箕面自由学園 山田幸恵さん」指導環境weblio.jp
- 【29】箕面自由学園高校HP「クラブ選抜コース」紹介mino-jiyu.ed.jp
- 【1】PR TIMES(BBM)「追手門学院高アメフト部 日本一13年ぶり大阪勢」記事prtimes.jp(※該当データ)
- 【42】関西大学第一高校HP「アメリカンフットボール部」部の概要kansai-u.ac.jpkansai-u.ac.jp