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マインクラフトはなぜ教育に良いのか?現役塾講師が徹底解説

こんにちは
自己肯定感を高めるオンライン学習塾Cheers!(@cheers.school)です

最近、 学校の授業や学習塾の現場でも「マインクラフト(Minecraft)」を活用する例が増えてきました


一昔前までは「テレビゲームなんて、 勉強の邪魔になるだけ」なんて言われがちでしたが、 いまやマインクラフトは教育的価値のあるツールとして世界的に認められているんです

とはいえ、 「本当にゲームを使って学力が伸びるの?」とか「子どもがハマりすぎてしまわない?」など、 保護者の方の心配や疑問は尽きないですよね


そこで本記事では、 わたしが現役塾講師としての視点から、 マインクラフトと教育の関係、 そして実際にどんなメリットがあるのかをまとめてみました


目次

マインクラフトってそもそもどんなゲーム?

1.ゲームの概要と世界的人気

マインクラフトは、 スウェーデンのゲーム開発者であるマルクス・ペルソン氏が開発し、 その後Mojang(モヤン)という会社が制作・販売を続けているサンドボックス型ゲームです


「サンドボックス」とは、 砂場遊びをイメージするとわかりやすいかもしれません
プレイヤーが自由にブロックを配置したり壊したりして、 思い思いの世界を作り上げることができるんですよね

マインクラフトが世界的に爆発的な人気を獲得した理由の一つには、 その自由度の高さがあります


ブロックで家を建ててもいいし、 地下を掘り進めてもいいし、 モンスターと戦ってもいい


プレイヤーがやりたいことを自分で決め、 やりたい順番で行動できるので、 まるで巨大なレゴブロックを仮想空間に持ち込んだような感覚になるわけです

ゲームのプラットフォームも非常に幅広く、 パソコン版・スマホ版・ゲーム機版など、 どこでも手軽にプレイできる点も大きな魅力


さらに、 インターネットを通じて他のプレイヤーと一緒に同じワールドを探検したり、 建築を協力したりもできます

こうした特徴により、 子どもから大人まで世界中のプレイヤーに愛されてきたマインクラフトですが、 近年は特に教育分野での活用に注目が集まっています

2.「教育版マインクラフト」も存在する

実は、 マイクロソフトが買収後に展開している公式版として、 「Minecraft: Education Edition(教育版マインクラフト)」というものがリリースされています


これは学校や教育機関、 そして家庭でも使いやすいように、 授業プランや学習向けの機能が拡充された特別なバージョンです


例えば、 教育版では特定の学習テーマに合わせて作られたワールド(仮想空間)が用意されており、 授業で使えるワークシートなども整備されています

教育版を使うことで、 プログラミング教育や歴史学習、 さらにはチームビルディングなど、 様々な分野に応用することができます


ただし、 通常のマインクラフト(通称:Java版や統合版など)でも十分に学習的な活用ができるので、 まずは家庭用のマインクラフトから入ってみても全然OKだと思います


マインクラフトが教育に良い理由

1.創造力や発想力を伸ばす

マインクラフト最大の魅力は、 何と言っても「ブロックを自由に配置して世界を作れる」点です


家や城、 街全体を作ることも可能ですし、 水や溶岩を使って“トラップ”を設置したり、 あるいは巨大な回路を組んでドアや装置を動かしたりと、 発想次第で無限の遊び方があります

子どもが「こうしたい」というイメージを頭に思い浮かべ、 それをブロックで再現していく作業は、 いわば“想像”と“創造”の繰り返し


適当にブロックを積み上げるだけでもそれなりに楽しいのですが、 何かしらの目標(例:水中に秘密基地を作りたい)を設定すると、 「どうやったら水が侵入しないようにできる?」とか「この形状を実現するにはどのブロック素材が最適かな?」と自然に考えるようになります

実際に塾の生徒を見ていても、 マインクラフトを通じて細かい計画を立てたり、 途中で“もっとこうしたほうがいい”と思って作り直したりする力が養われていると感じます


それは、 図工の工作や美術の絵画にも通じる面がある一方、 デジタルツールのため失敗を何度でもやり直せるところが子どもにとっての安心感にもなっているようですね

2.論理的思考力を育む

マインクラフトでは、“レッドストーン”というアイテムを使って回路を組むことができます


これは実質、 電子回路をシンプルに再現したような仕組みで、 ボタンやレバー、 感圧板などのスイッチと組み合わせることで、 ドアを自動で開閉したり、 信号が一定時間だけ通るようにしたりできます

こうした回路設計をする過程は、 実はプログラミング教育に近い要素を含んでいます


「このスイッチをオンにしたら、 レッドストーン回路を通じてドアが開く」
「一定時間たったら信号をオフにして、 モンスターが入れないようにする」など


子どもは試行錯誤を繰り返しながら、“入力→処理→出力”という論理的な流れを自然と身につけていくわけです

さらに、 教育版マインクラフトではプログラミングブロックを使ってキャラクターを動かす学習モードも用意されています


この機能を使えば、 ビジュアルプログラミングの感覚でキャラに指示を出し、 目的を達成するための命令を組み立てることができるんです


こうした経験は中学校以降の本格的なプログラミング学習や、 高校での情報科目にもスムーズにつながると期待されています

3.コミュニケーション能力と協働力を育む

マインクラフトは、 マルチプレイ(複数人同時プレイ)が可能な点も大きな特長です


一つのワールドに友達やクラスメイトが集まって、 「一緒に村を作ろう」「お城を再現しよう」など共同作業をすることで、 子ども同士が自然にコミュニケーションを取るようになります

例えば、 「ここはぼくが作るから、 君はその横を頼む」とか「資材が足りないから、 地下を掘ってブロックを集めてきて」など、 役割分担を話し合う場面が多々発生します


これこそが“協働学習”の要素であり、 社会に出てから求められるチームワークの基礎を育む絶好の機会となり得るわけです

一方で、 子ども同士のトラブル(例:勝手に他人の建物を壊す、 アイテムを盗むなど)も起こる場合があります


しかし、 そういうトラブルこそがコミュニケーション能力を育むチャンスと言えます


「やめてほしいこと」をどう伝えるか、 どうやって許して理解し合うかなど、 ネット上のコミュニティでのルールとマナーも学べる点は、 今後ますます大切になるデジタル時代の社会性を身につける絶好の教材かもしれません

4.探究心と問題解決能力の向上

マインクラフトは目標があらかじめ設定されているわけではなく、 自由度が高すぎるが故に“自分で課題や疑問を見つける力”が試されます


子どもたちは「もっと効率よく採掘するにはどうすればいいんだろう?」とか「このモンスターは何を弱点とするのか?」など、 自然にゲーム内での問題にぶつかります

そこでインターネットで調べたり、 友達に聞いたり、 実験を繰り返したりしながら、 問題の解決策を探ろうとする姿勢が育まれるんですよね


わたしが塾で見てきた生徒の中には、 こうした“探究”の習慣をマインクラフトを通じて身につけ、 他の教科の学習や自由研究にも積極的に取り組むようになったケースがあります


何事にも「どうやってできているんだろう?」と興味を抱き、 実際に手を動かして試す姿勢は、 まさに理想的な学習者像だと感じます


具体的な活用法と事例

1.プログラミングの導入として

マインクラフトの教育版や、 統合版に導入されているプログラミング拡張機能を使えば、 子どもはブロックを使ったビジュアルプログラミングや、 JavaScript・Pythonを使ってコードを書くことができます


最初はブロックを組み合わせるだけでも、 キャラクターが動いたりアイテムを置いたりできるので、 “プログラミング=難しそう”というイメージがかなり和らぐはずです

さらに、 マインクラフト内でプログラムを組むと即座に結果が画面に反映されるので、 子どもは“自分のコードが何をするのか”を視覚的に理解しやすくなります


「ここでループ処理を使うと、 一度に何個もブロックを設置できる」「if文を入れて、 敵が近づいたら自動で攻撃するようにしよう」など


実際にコードを書いて、 実行して、 結果を見て修正するというサイクルを回すことで、 論理的思考力とトライ&エラーの経験が積めるわけですね

2.社会科や歴史学習への応用

マインクラフトで“街づくり”をしながら、 実際の歴史的建造物や文化を再現してみるプロジェクトは、 すでに世界中の教育現場で実践されています


例えば、 エジプトのピラミッドや日本のお城を再現する過程で、 その構造や当時の文化・歴史的背景を調べる必要が出てきます


「この部分は石材が使われていたはずだけど、 どのくらいの大きさのブロックだったんだろう?」とか「当時の工法はどうだったのか?」など

さらに、 教育版マインクラフトには“インタラクティブな歴史ワールド”が存在することもあるため、 仮想空間を歩き回りながら「まるでタイムスリップしたような」体験ができるかもしれません


こうした取り組みは、 単に教科書の写真を見るだけでは味わえない臨場感を子どもに与え、 社会科や歴史分野への興味を一気に高めてくれます

3.理科や地理のフィールドワーク

マインクラフトの世界には自然要素が多数存在し、 地形やバイオーム(森林、 砂漠、 雪原など)が多様に生成されます


子どもが実際にその世界で冒険するうちに、「このバイオームにはどんな動物や植物が出るんだろう?」とか「高い山脈や深い洞窟ではどう行動すればいい?」と疑問が湧いてくることがあります

ここで「リアルの地理や生態系はどうなんだろう?」と比較学習するのも面白いんですよね


「ジャングルにはどんな動物がいて、 農作物は何が育つのか?」など


また、 地下に鉱石が生成される仕組みをマインクラフトと現実で比べると、 “実際の地質学”に関心を持つ子もいます

こうして“ゲーム内の世界”から“現実世界”へ興味をつなげられるのは、 教育的に非常に大きな価値があると感じます


「ただの仮想世界の話」で終わらせず、 現実にある自然や地理を意識するきっかけとして活用できるわけですね

4.オンラインでの共同学習プロジェクト

マインクラフトはオンラインマルチプレイが主流となっているので、 学校や学習塾のクラス単位で“同じワールドを共有してプロジェクトを進める”ことができます


例えば「みんなで近未来都市を作ろう!」とテーマを決めて、 グループごとに担当エリアを分けるんです
Aチームは交通網、 Bチームは住居区画、 Cチームは娯楽施設など

プロジェクトを進めるうちに、 子どもたちはお互いの進捗を確認したり、 助け合ったり、 時には意見が衝突することもあるでしょう


しかし、 それこそが“協働学習”の醍醐味であり、 “問題解決力”や“リーダーシップ”を学ぶ良い場となります

わたし自身、 塾でマインクラフトを使ったオンライン共同学習を試みたことがあり、 意外にも普段はおとなしい生徒がリーダーシップを発揮して「ここのレイアウトはこうしよう」と提案してみんなをまとめたり、 逆に普段は元気な子が「この仕組みわからないから教えて」と素直に聞いたりして、 とても刺激的な光景を目にしました


保護者が知っておきたい注意点

いくら教育に良いと言っても、 やはりゲームにはリスクや注意すべき点があります


ここではマインクラフトを活用する際に気をつけるべきことをいくつか挙げてみます

1.プレイ時間の管理

マインクラフトは“終わりがない”タイプのゲームなので、 ついつい長時間プレイになりがち


特に小学生などは時間感覚がまだしっかりしていないので、 気づけば何時間も没頭してしまうことがあります


保護者としては、 “1日○時間まで”などのルールをきちんと設定し、 課題や睡眠時間の確保を優先させるようにしましょう

2.オンラインでのやり取り

マインクラフトのマルチプレイは、 インターネットを通じて世界中のプレイヤーと繋がることができる反面、 トラブルのリスクも高まります


暴言や荒らし行為をするプレイヤーに遭遇したり、 個人情報を不意に漏らしてしまったりという可能性もゼロではありません


安全なサーバーや信頼できる友達同士でのプレイに限定し、 子どもにもネットリテラシーをしっかり教えておく必要があります

3.バイオレンス要素の扱い

マインクラフトにはゾンビやクリーパーなどの敵モンスターが登場し、 戦闘要素が存在します


見た目がブロック状でコミカルとはいえ、 苦手な子もいるかもしれません


ゲームモードには「ピースフル」という敵が出ない設定もありますし、 教育目的であれば建築に集中する設定も可能


子どもの年齢や性格に合わせて、 モードを選んであげるといいでしょう

4.ハードウェアやソフトの導入コスト

マインクラフトをプレイするには、 パソコンやゲーム機、 スマホなどある程度のデバイスが必要です


また、 ソフトの購入費用や、 場合によっては教育版マインクラフトのライセンス費用がかかることもあります


家庭の予算や学習目的に合わせて、 適切なデバイスとバージョンを選ぶことが大切です


現役塾講師から見たマインクラフトの可能性

ここまでご紹介したように、 マインクラフトは創造力・論理思考力・協働力など、 子どもに必要なスキルを楽しく磨けるポテンシャルを秘めています


ただし、 それは「上手に活用すれば」の話であって、 ただ漫然とプレイしているだけでは“勉強になる”とは言い切れません

しかし、 わたしがこれまで目にしてきた生徒の変化を振り返ると、 次のような事例がたくさんあります

  • マインクラフトで世界中の建築物に興味を持った子が、 歴史や地理の成績を伸ばした
  • レッドストーン回路を組むうちにプログラミングに関心を持ち、 実際にプログラミングスクールに通い始めた
  • マルチプレイで友達と協力する中で人間関係のトラブルも経験し、 それをきっかけにコミュニケーション術を学んだ
  • 自己肯定感が低かった子が、 マインクラフトの建築を褒められるうちに“自分にも得意なことがある”と気づき、 勉強にも意欲的になった

これらの例からわかるように、 マインクラフトが提供する学習機会は実に多岐にわたるんです


ただし、 子どもが何かに興味を持ったときに、 大人が「それってこういう分野につながるかもよ」と柔軟にサポートしてあげる姿勢が大事


ゲームが導火線となって興味の火種がつき、 そこから教科書的な学習にも広がるのが理想的だと感じています


まとめと今後の展望

マインクラフトが教育に良いと言われる主な理由は、 大きく分けて以下の点に集約できます

  1. 創造力や発想力を伸ばす:自由度の高いブロック世界で自分のアイデアを形にするプロセスが、 子どもの想像力と創造力を刺激
  2. 論理的思考力を育む:レッドストーン回路やプログラミング要素など、 アクションと結果の因果関係を考える力が身につく
  3. コミュニケーション能力や協働力を高める:マルチプレイでの共同作業や問題解決を通じて、 他者との協力や交渉、 意見交換を学ぶ
  4. 探究心と問題解決能力の向上:目的が定まっていない世界だからこそ、 子ども自らが疑問を見つけ、 解決策を試行錯誤する経験を積める

ただし、 これらのメリットを最大限に引き出すには、 保護者や教育者が適切にルールを設け、 プレイ内容を見守りながらサポートすることが不可欠です


ゲーム依存のリスク管理やオンライン安全対策なども大切ですから、 子どもの成長に合わせて無理のない範囲で導入してください

そして何より大事なのは、 子どもが“マインクラフトを単なる娯楽で終わらせるのではなく、 学ぶきっかけにできるかどうか”という点


家族で建築のテーマを決めて挑戦してみたり、 一緒に攻略本やネット情報を調べたり、 ゲーム内でわからないことを調査するミッションを作ったりと、 保護者も積極的に関わることで、 ゲームが“学びの場”へと変貌します

今後もデジタル技術が進化するにつれ、 教育の現場や家庭学習で使えるツールは増えていくでしょう


そのなかでマインクラフトが果たす役割は、 ますます大きくなると考えられます


プログラミング教育の必修化だけでなく、 地域連携やオンライン学習ツールとしての機能も拡充していくはずです

最後に、 わたし自身が塾講師として感じているのは「やはり子どもは楽しみながら学ぶのが一番強い」ということ


マインクラフトで“遊んでいる”ように見えても、 その裏には数多くの学びの種が転がっています


しかも、 それを子ども自身が“面白い”と思って取り組んでいるなら、 こんなに嬉しい学習環境はないでしょう

ゲームだからといって一概に毛嫌いするのではなく、 上手にルールを決めて学習につなげる道を探るのが、 これからの時代の新しい教育スタイルなのかもしれません


ぜひ、 この記事をきっかけに、 マインクラフトをお子さんの教育に活かす方法を模索してみてはいかがでしょうか


マインクラフトが、 お子さんの学びの可能性を大きく広げるツールになりますように!

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